音ちゃんにお任せ
そしてまた次の日も、一ノ瀬くんは相変わらずの遅刻なのでした。
(寝てる・・・)
もう休み時間だというのに、彼はすやすやと気持ちよさそうに眠ってる。
寝息がここまで聞こえてきそうだ。
寝顔は、誰もが可愛いというけれど、確かに―――――。
パチっ
という音が聞こえてきそうなくらい勢いよく瞳が開かれた。
まじまじと見つめていた私と思い切り目が合う。
「・・・なに」
喋ったー!
いや、当然なのだけど。
そうなのだけど。
一ノ瀬くん発信というのは、今日が初めてで。
「い、いえ・・・その。気持ちよさそうに寝ているなと・・・」
もっと、気の利いたことは言えないのか、私!