音ちゃんにお任せ



「無視されるの怖いしさー」

「わかるー。でも、見てるだけで幸せ!みたいな」

「そうそう。でも、誰に対してもああだし、なんか安心っていうか」




お、恐ろしいです、女子。
そんな事を考えてるんですね。
だから、皆自分から話しかけたりはせずに遠くから見て胸を高鳴らせているのか。


でも、話しかければ答えてくれると思うんですけど・・・。




チラリともう一度一ノ瀬くんを覗き見ると、もうゲームは終わっていてコートの外にはけていくところだった。






「やっぱ、変だよね。音」

「へ?」




試合を終えた未江ちゃんが私の隣に腰を下ろす。
変・・・?
なにが、変だというんでしょう。



「一ノ瀬に、恋しちゃった?」

「こ、恋・・・?そんな、まさか、恋なんて・・・。私なんかが一ノ瀬くんに恋なんて、もったいないです!」

「ぷっ、なにそれ」




未江ちゃんは大笑い。
私は、また変なことを言ったようです。




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