音ちゃんにお任せ




「ずっと、一ノ瀬くん見てるじゃん」

「そんな、ことは・・・。というより、未江ちゃんの言っていたことは本当でした」

「ん?」

「一ノ瀬くんは、モテモテです」

「あー、でしょう?隠れファン、多いと思うわよ」




ニヤニヤといたずらな笑顔を浮かべる。
未江ちゃんはとても可愛らしくて多くの男子からモテているというのに、本人はあまりその気がないみたい。
だから、未江ちゃんとあまり恋バナというものはしたことがないんです。



「いろんな噂があるのも、また魅力に変わってるんだろうね」

「そういうものでしょうか・・・」




その真実は、兄妹のために頑張って働いている、という事だったのだけど。
でも、確かにどんなバイトをしているかまでは知らないし。

もしかしたら、お金のために夜のお店で働いていたりするんでしょうか。




ああ、ダメダメ。
また一ノ瀬くんへの興味がそそられてしまう。


おせっかいに足を突っ込んで、反省したばかりだというのに。




ダメよ、音。
忘れるのよ。





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