音ちゃんにお任せ
体育が終わった後、私はそのまま保健室へと走った。
「お見舞い行く?」
「行きたいけど、ちょっと怖いよねー」
「大丈夫って心配したら、ポイント上がるかなぁ」
なんていう女子たちの横を通り抜け、一目散に走った。
心配で、心配で、心配で。
ああもう、早くついて!
ガラッと勢いよくドアを開けて後悔した。
ここは保健室、もしかしたら寝ている人が他にもいるかもしれないし、一ノ瀬くんだって起きてしまうかもしれないのに。
それくらい、余裕がなかったの。
「あ、あの・・・っ」
「あら、どうしたの?けが?」
「い、いえ・・・。あの、一ノ瀬くん・・・」
「ああ、さっき運ばれてきた・・・。そこで眠っているわ。少し熱があるみたいね」
「熱・・・」
熱があったのに、学校に来ていたの?
そして、体育まで・・・。
自分の体調に、疎いのかしら。
「倒れたのは、睡眠不足ね。疲れがたまっていたのかしら。まだ若いのに」