音ちゃんにお任せ



私は、鼻歌交じりにキッチンに立つ。
冬深ちゃんも結斗くんも部屋で宿題をすると籠っている。

そして、琴心ちゃんはリビングでおとなしくお絵かきをしている。




「琴心ちゃんは絵が上手ですね」




そういえば、と声をかける。




「ことね、おえかきすきー」

「なにを描いているんですか?」

「にぃにとねおとちゃん」




楽しそうな声が聞こえ、思わず微笑んだ。
ここからでは絵は見えないから、あとで見せてもらおう。




「琴心ちゃんはお兄ちゃんが好きですか?」

「すきだよっ、ねぇねもゆーくんもとおともおとちゃんもだいすきっ」




その並びに自分も入っていることが、嬉しい。
なんて贅沢なんだ!





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