音ちゃんにお任せ
ああ、一ノ瀬くんの怪訝そうな顔。
ものすごく、嫌がられてる。
そうですよね。
自分の寝顔をまじまじ見られていい気分する人なんていないだろうし。
「・・・寝不足で、限界なんだよ。悪い」
「い、いえ。そんなことは・・・」
って、悪いんです。
悪いんですよ!
だってここは学校で、勉強をするところで。
勉強をするために私たちは日々ここに通ってきているのですから。
なんて、言えない自分が恨めしい。
怖い、怖いです一ノ瀬瑞己!
瑞己・・・名前はとても可愛いのに。
そんな事を考えているうちに、一ノ瀬くんはすっかり気分はこっちにはなく窓の外を見上げる。
そういえば、時々こうして空を見上げていることがあるような・・・。
ううん、謎です。
一ノ瀬くん。