音ちゃんにお任せ
私は、キッチンに向き合い料理の続きを行う。
なんだか、とても楽しい。
もし、自分に子供が出来たらこんな感じなのかな・・・。
・・・・なんて。
まだまだ先のことなのに、なに考えてるんだろう。
私には兄妹もいないから、なんだか新鮮です。
私の実家はとても田舎で。
側に高校なんてないから、いっそのことと都会まで出て一人暮らしを始めました。
最初は不安を抱きながらも、ドキドキなひとり暮らしでしたが、慣れてしまうとただ寂しさを感じるだけ。
一人でご飯を食べて、一人で眠って。
友だちの少ない私は、家に呼ぶ友だちもあまりいませんし。
というより、一ノ瀬家の人たちにとってやっぱり私は迷惑なんでしょうか。
美男美女の揃う一ノ瀬家に、こんな芋くさい私が・・・。
ううん。
気にしないのよ。
おせっかいを貫くって決めたのだから。
私は時々湧き上がるネガティブな思考を想いきり頭を振って振り払った。