音ちゃんにお任せ



「へぇー。じゃあ、好きな人は?」

「い、いません・・・」

「そっか―。高校生になったら自然とできるもんじゃないのねー」



そう言いながら冬実ちゃんはご飯を口に運ぶ。
高校生になったら自然と・・・。
できるもんなんでしょうか。




「同級生の男子って、なんか子どもっぽくってさー」

「冬深ちゃん、恋がしたいんですか?」

「したいっていうか、最近、友だちが年上の人と付き合いだしてさ」

「えっ」




は、早い・・・。
私なんて、初恋もまだなのに・・・。



「結にぃはいいよね。彼女いるんだから」

「えっ」




さ、さすがです。
一ノ瀬兄妹!
なんだか、違う世界みたい・・・。
いや、私がおかしいのか・・・。





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