音ちゃんにお任せ
私は、琴心ちゃんを寝かしつけ片づけまで済ませると帰り支度をして立ち上がる。
「本当に、ありがとう」
「また、来てくれるんだよな?」
「はい、もちろん。迷惑でなければいつでも」
玄関で見送ってくれる二人にそう告げると、二人はにっこりとほほ笑んだ。
この綺麗な笑顔が見れるだけで、私は満足です。
「別に、ご飯とか作らなくてもいいからさ、いつでも来てよ」
「ありがとうございます。あ、あの一ノ瀬くんにご飯温めて食べてくださいと」
「わかった。伝えとく」
私は頷くと一度頭を下げ、玄関から出た。
もうすっかり真っ暗だ。
携帯で時間を確認するともう9時を回っている。
「綾瀬?」
門を出て左に曲がると後ろから声をかけられる。
この声は。