音ちゃんにお任せ



「山登りって・・・なにがいるのかわからなくて」

「そこまで本格的じゃないからしおりにある分でいいって言ってなかったっけ?」




そう言われ、一ノ瀬くんを見上げた。




「なに」

「いつも寝ているのに、ちゃんと聞いているんですね」

「うるせ」




こつん、とおでこをコツかれる。
酷いです、一ノ瀬くん。
八つ当たりです。



あ、そしてふて寝ですか?




「見てんな」




私が見ていることに気づいたのか窓の外に顔を向けたままそう言われてしまいました。
私は体を座席に戻す。
一ノ瀬くんはすっかりおやすみモード。



お疲れなのです。
仕方ない、ですかね。




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