音ちゃんにお任せ
それに。
「それに、一ノ瀬くんは私のことなんてただのおせっかいおばさん程度にしか思っていないわよ」
「おばさんって・・・」
だっていつも、迷惑そうだもの。
迷惑だけど、私が押しかけるから仕方なく目をつぶってくれているの。
本当は、疎ましいけれど、琴心ちゃんのために我慢してくれているの。
きっと、そうなの。
「それに、大野さんが一ノ瀬くんに話しかけようと狙っているの。邪魔したら悪いわ」
「狙ってるって、いつまでたっても話しかけれてないじゃない。隙とか言いつつ怖がってたら進展なんてしないわよ」
それはその通りかもしれない。
大野さんも、頑張って話しかけてみればいいのに。
きっと、一ノ瀬くんは少し面倒くさそうにはするかもしれないけど、その勇気を無下になんてしない人だわ。
それが、わかってもらえるといいのに。
ブーン・・・
小さな羽音が聞こえ、顔を向ける。