音ちゃんにお任せ



「いつも・・・一ノ瀬くん、お昼になるとどこかに行かれるので・・・。どこに行ってるのかと・・・」

「・・・はあ」



深いため息。
そうですよね。
わかります。


こんな、ストーカーみたいなこと。
自分でも、なんでこんなことしているのかわかりません。



シュンと肩を落とし泣きそうになる。




「・・・来れば?」




諦めたような声が降ってきて顔をあげれば、一ノ瀬くんはもうさっきの柵の場所まで歩いて行っていた。
私は慌てて立ち上がり、駆け寄る。



初めては言った屋上は、風が通ってとても気持ちがいい場所だった。





「すごいです!一ノ瀬くん、なんで鍵を・・・」

「・・・日直の時、鍵を見つけて。こっそり・・・」

「・・・それって、ダメじゃ」



いや、わかっていたけれど。
立ち入り禁止の屋上の鍵を持っている時点でいけないことをしているのはわかっていたけれど。




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