音ちゃんにお任せ
「綾瀬!」
声が。
胸が、ドクンと鳴る。
「こんなところにいたのか」
安心した顔の一ノ瀬くんが息を切らせてやってきた。
それは、まるで・・・。
まるで。
お姫様のピンチにやってくる、王子様――――――。
って、なにを考えてるんですか、私――――――!!!
バッと顔をそらす。
「どうした?」
息を整えた一ノ瀬くんが私を覗き込む。
真っ直ぐ私の瞳を射抜く瞳に、私は惹きこまれて・・・。