【完】私が恋したプリンス*
隣の席の優人も珍しくもう帰ったらしい。
10分もすると教室には生徒が2〜3人にまで減り、私は鞄を持って校内散策を始めた。
体育館からは、バスケ部のバッシュを鳴らす音が盛んに聞こえてくる。
そして廊下では、他の部活がトレーニングしていたり。
また、窓からグラウンドを覗けば野球部や、サッカー部、陸上部がいた。
季節はまだ春だから、きっと寒いだろうなぁ…
なぜか考えただけの私が寒気を感じる始末。
ゆっくりとした足取りで階段を登って5階へと向かう。
休みの日の資料室は未知の世界で、階段を登る度に私の胸は弾んでいた。