【完】私が恋したプリンス*
私は耳を押さえて慌てて離れるが、淳平先輩は余裕な笑みを浮かべている。
「…」
「俺、正直者でしょ?」
おまけになにも言い返せない私に、そんなことを言ってのける。
「…先輩は…ズルイです…」
「えっ?俺が?証明してって言われたから証明しただけなんだけどなぁ」
普通は先輩の方が余裕無くなるんじゃ…
「返事は、まだしなくて良いからね」
「…」
そして〝じゃあね〟と言って淳平先輩は資料室をあとにした。