【完】私が恋したプリンス*


私は耳を押さえて慌てて離れるが、淳平先輩は余裕な笑みを浮かべている。



「…」



「俺、正直者でしょ?」



おまけになにも言い返せない私に、そんなことを言ってのける。



「…先輩は…ズルイです…」



「えっ?俺が?証明してって言われたから証明しただけなんだけどなぁ」



普通は先輩の方が余裕無くなるんじゃ…



「返事は、まだしなくて良いからね」



「…」



そして〝じゃあね〟と言って淳平先輩は資料室をあとにした。

< 112 / 307 >

この作品をシェア

pagetop