【完】私が恋したプリンス*
「じゃあ、私届けてくるね」
「頑張ってねー!」
調理実習が終われば、あとは下校するのみだったため、鞄を持つと私は先輩の教室へと向かった。
あんな公の場でどうどうと宣言されたため、廊下を歩く度ちらちらと私を見てくる生徒がいた。
そんな時、
「…ま、待って!」
と突然声をかけられ振り返れば優人の姿があった。
「どうしたの??」
何事かと思い駆け寄る。
走って来たのか、顔を歪めて呼吸を整えていた。