【完】私が恋したプリンス*


「それっ…本当に…渡す、の?」



今は放課後とはいえ、まだ生徒が残っている。

本当は話すのでさえやっとなのに、頑張って私に言葉を発していた。



「カップケーキ?」



私の言葉に彼はこくんと頷く。



「一応ね」



渡さなかった時の、周りからの視線が恐ろしく怖いし。



「でも、凛くんっ「……渡すなよ…」」



凛くんにも渡す予定と言おうとしたのに、彼に言葉を遮られてしまった。



「…優人?」

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