【完】私が恋したプリンス*
「マジいってぇ…」
昇降口に着いた時、どこからか声が聞こえてきた。
痛い?
怪我してるのかな?
少し心配になり昇降口を見渡した。
すると少し先に腰を下ろした男の子がいた。
「あの…」
私は近寄り声を掛ける。
目の前の男の子は私の声に反応して顔を上げた…
「何?」
…えっ?!
その男の子は冷たくあしらう。
私の知っている人とはまるで別人のように。
「け、怪我してるの?」
「別に。アンタに関係ないじゃん」
目の前にいる男の子は私の1つ下の1年生で入学当初から有名な人。
優人や淳平先輩と同じ、3人目の王子様吉野凛(よしの りん)なのだ。