【完】私が恋したプリンス*
彼は可愛いルックスをしていて、甘え上手で有名でもあった。
おまけにいつも笑顔を絶やさず、みんなに可愛がられていた。
けれどそんな彼が…今となっては別人のように冷たい言葉を放っている。
でも…
「怪我をしている人をほっとけないよ」
私も負けずに言い返す。
もしも大怪我だったら大変じゃない。
「うるさい」
しかし彼はそう言うと立ち上がろうとした。
ガバッ──
けれど足を痛めていたらしく、バランスを崩し私に覆いかぶさる状態になってしまう。
「わりぃ「座って!」」
私からすぐに離れようとする彼をその場に座らせ足を見る。
最初はなかなか怪我したところを見せてくれなかったが、私がしつこく言った甲斐があり観念した様子だった。
「すごい腫れてる…」
彼の足首はパンパンに晴れ上がっていた。
「こんなのすぐ治るし」