【完】私が恋したプリンス*


「…先輩…」



自分の無力さに悲しくなり、涙が浮かんでくる。



「…この度は校則を破りすみませんでした。今日バイト先に話してきます」



「今後はしないように。あと、今日から校内清掃1週間だから行うように!」



「はい!」



「それじゃあもう戻っていいぞ」



「失礼しました」



生徒指導室を出た私は先輩に掛ける言葉もなく、ただ黙って下を向いた。



「ありがとう、那姫」



そんな私にかけてくれた言葉も、素直に受け取れない私はただ黙って首を横に振った。

< 172 / 307 >

この作品をシェア

pagetop