【完】私が恋したプリンス*
「…先輩…」
自分の無力さに悲しくなり、涙が浮かんでくる。
「…この度は校則を破りすみませんでした。今日バイト先に話してきます」
「今後はしないように。あと、今日から校内清掃1週間だから行うように!」
「はい!」
「それじゃあもう戻っていいぞ」
「失礼しました」
生徒指導室を出た私は先輩に掛ける言葉もなく、ただ黙って下を向いた。
「ありがとう、那姫」
そんな私にかけてくれた言葉も、素直に受け取れない私はただ黙って首を横に振った。