【完】私が恋したプリンス*
「ちょ、那姫!?」
心配そうに私の名前を呼ぶ実莉ちゃんの姿が目に入ったが、私の勢いは止まらない。
「それに、イメージダウンとかそんなのどうでもいい!!!淳平先輩は淳平先輩なんだから!!!!勝手に理想を押し付けないでよ!!!」
その時、
「那姫」
私の名前を呼ぶ声がして振り返れば淳平先輩がいた。
先輩の姿に気がついたのは私だけでなく、この場にいた全員で、みんな気まづそうに下を向く始末。
そんな私に近づくと、頭をポンポンと撫でて〝ありがとう〟と私だけに聞こえるぐらいの声で言ってくれた。
その言葉を聞いて、緊張が解け思わず涙してしまいそうになる。