【完】私が恋したプリンス*


強がりなのか、彼はなかなか人を頼ろうとしない。



「ちょっとここで待ってて!絶対待ってて!」



私は彼にそう言うと鞄をほおり投げて全力疾走で保健室へ湿布を取りに向かった。



もしかしたら私がいない間にどこかへ行っちゃうかもしれない…

けれど、じっとしている事が出来なかった。



私は養護教諭の先生から湿布を貰うと再び全力疾走で戻る。



息を切らしながらも昇降口に着くと、彼は大人しくその場に座ったままでいた。



よかった…



そんな彼は私を見て、



「遅い」



一言そう言ったんだ。

そんな彼に謝り、湿布を手渡した。



「アンタが貼ってよ」



けれどすんなり受け取ってくれず、終いにはそんなことを言われた。



「いや…足首だから自分で貼れるんじゃ…」



「は?俺、怪我人なんだけど」



さっきまで怪我人扱いされるの嫌がっていたのに…

この代わり用はなんですか!?

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