【完】私が恋したプリンス*
「俺は物心ついた時にはすでに施設暮らし。
強いて言うなら…施設長が俺の親代わりですかね。
施設って偏見とかあるかもですけど…
みんな優しくて、暖かくて、素敵な場所ですよ」
凛くんはへへっと笑って見せた。
その笑顔はは本心なのか、それともなにかを隠しているのだろうか。
凛くんが話し終えたと判断した先輩は話の続きを始めた。
「俺達は本当の父親が病気で亡くなって、初めて真実を聞かされた。そして、葬式で俺達3人は初めて会い、1つの約束をした」
「1つの…約束?」
「そう。高校生になったら、母親を探す。という約束を。それから俺達は高校まで別々の道を歩んだ。
この学校にも俺達3人は育ての親に迷惑かけまいと、学費免除の特待生を志望して必死に勉強して入学した。」