【完】私が恋したプリンス*
返ってきた言葉はとてもじゃないが、理由になってはいない。
けれど、それ以上そのことに関して聞くことは出来なかった。
「…話…続けてください」
「…あぁ…それで、今日手紙が届いたんだ。母親らしき人を見たと言う。だから俺達は手紙に記された場所に向かった…けれど、なにも無かった。
昔の写真を頼りに探しても、所詮十何年も前の写真。だから今日は一旦戻ってきたんだ」
「…そうだったんですか…」
上手い言葉の返し方が分からず、ありきたりな言葉になってしまう。
「…これで全部だよ」
聞いた言葉はどれも衝撃的で、はいそうですか、って簡単に飲み込めるようなものでも無い。
そのため、頭の中や心中が掻き乱された。