【完】私が恋したプリンス*
「いや…あまりにも綺麗で」
だから咄嗟に言葉にし、笑顔を作る。
「ふぅーん」
人の気持ちに敏感な凛くんは浮かない顔をしたがそれ以上なにも聞いてくることはなかった。
…それにしても…
この写真の女性、カフェにいつも来る佐藤さんに似ている気が…
10数年も前の写真だから違うかもしれないけれど、モヤモヤしてならない。
「ねぇ優人」
「なに?」
実莉ちゃんの存在に慣れたのか、今では前より口数が増えていた。