【完】私が恋したプリンス*
「けどね、ある日…子ども達に手を上げたの……
あの日のことを思い出すと、なんでもっと早く離婚届けを突き付けてやらなかったんだろうって思うわ。
結局私はそれ以来、なんども旦那に離婚話を持ちかけた。
最初は逆ギレされたり、暴力を振るわれたり、散々な目にも合ったけれど、子ども達のことを考えたら不思議と平気だったわ。
そしてある日、あんなに渋っていた旦那が離婚に納得してくれた。他に女ができたから、私達は用済みだって。
呆れるわよね、本当。
それから私は子ども達と生活するために、仕事を掛け持ちして朝から夜まで1日中働いたわ。
けれど、子ども達を養えるわけもなく、彼等を手放した…」
話し終えた後、私は涙で顔がグチャグチャだった。