【完】私が恋したプリンス*
隣の凛くんを見れば、苦しそうな表情をしながら先輩と佐藤さんや優人の姿をあたかも他人の様に眺めていた。
「……家族って…なんだ…?」
その声は隣にいる私にしか聞こえないほどのボリューム。
「…凛…くん…?…」
「…!!」
私の視線に気がついた凛くんは我に返り、慌てたように3人の元へと歩んだ。
さっき呟いていた言葉が脳裏を過ぎり、凛くんがただただ心配。
「よかったね、淳くん、優人くん」
そんな私の心配なんて他所に、凛くんは当たり障りのない笑顔を振る舞っていた。
『……家族って…なんだ…?』
さっき確かにこう言った。