【完】私が恋したプリンス*
だけど、あのまま凛くんを見ていることはできなかったんだ。
「なっちゃん先輩どこ行くつもりですか?!」
「凛くん煩い!」
「えっ?はっ?煩いってなんですか?!」
うん。
まぁ。そうだよね。
勝手に連れ出して来ておいて煩いとか…
そんなこと言っている時点で自分の計画性の無さに少し呆れる。
だけど…
「私、今の凛くん嫌いだよ」
自分に嘘はついて欲しくない。
綺麗事かもしれない。
けれど、自分に正直にいて欲しい。
たった1人のお母さんの前で、無理して笑って欲しくない。
私は河川敷に辿り着くと、立ち止まり凛くんを見つめた。