【完】私が恋したプリンス*
凛くんは1人じゃない。
「淳平先輩も、優人も、実莉ちゃんも、私も、みんないるよ。だから、怖いものなんてないよ」
「…っ…なっちゃん先輩っっ…」
彼の流す涙は凄く綺麗で、さっきの雨みたい。
私達は少し経ってから、カフェへと戻った。
カフェへ戻る時の凛くんは目を赤くさせながらも笑顔を見せていた。
その笑顔に私は温かい気持ちになる。
カフェへ着けば、真っ先に佐藤さんが凛くんを強く抱きしめ、何度も何度も〝ごめんね〟と口にし涙していた。
凛くんも同じように〝ごめん〟と何度も謝り、涙しお母さんのことを強く抱きしめていた。