【完】私が恋したプリンス*
「それじゃあ、メイド服やタキシードは全員着るということで!」
委員長はみんなに伝えると、満足そうに席に戻った。
委員長って美形なのに…
きっと学園の王子様の存在が大きすぎるが故に、今まで目立たなかったんだろうな。
ふと隣の優人を見てみれば。
少し長い前髪から覗く瞳がメガネ越しからも分かるほどとても綺麗。
クラスにもこれだけのイケメンがいれば…委員長が目立たないのも無理も無い。
「…委員長可哀想…」
「なんで俺見ながらそんなこと言うの?」
当の本人は自覚無し。
「だよね、那姫」
実莉ちゃんも私と同じ意見らしい。
そして、学祭準備は次の日から本格的にスタートした。