【完】私が恋したプリンス*
「えっ?ドキドキしたの?」
「はい?」
「俺のこと意識しちゃった感じ?」
…実莉ちゃん助けて…
実莉ちゃんにSOSの視線を向けるが、私と先輩のやり取りをニヤニヤしながら眺めていた。
どうやら助ける気がないようです。
「そんなことより、2人の荷物持つよ」
〝そんなことより〟って言ってるけど、変なこと言い出したのは先輩ですよ。と心の中でツッコミを入れる。
「でもこれ重たいし、たくさんありますよ?」
この感じ、初めて淳平先輩と出会った時のことを思い出す。