【完】私が恋したプリンス*
15時50分──
「私ちょっと行ってくるね」
放課後ながら学祭準備に取り掛かっている実莉ちゃんにそう言うと、私はクラスを後にして資料室へと向かう。
いつもは、既に生徒も下校している時間帯。
だけど今日は学祭の準備をしている生徒がたくさんいて学校は賑やかだった。
今日から準備をしているクラスがほとんどで、どんな出し物をするのかはまだ分からないがこの雰囲気は好きだ。
そんなことを考えながら5階の資料室へと足を運ぶ。
さすがに5階に生徒はいなかった。
ガラガラ──
16時にはまだなっていないが、淳平先輩だけならず、優人や凛くんもいた。
「し、失礼します」
改めてみんなの視線を浴びながら中へ入るのは緊張する。