【完】私が恋したプリンス*
そして、それ以上はなにもこの件に関して優人は話さなかった。
その代わりに私達は学祭の話で盛り上がった。
盛り上がったのは人がいない時だけだけども。
学校に着けば、学祭準備をしている生徒がちらほらいて私達は注目の的に。
これでも優人は王子様で。
そんな私はというと、王子様から告白された女の子として学園では有名になっていた。
だからあちらこちらで噂話をする生徒が視界に入る。
〝もしかして古賀くんと!?〟
〝あの2人くっ付いたの?〟
〝嘘でしょ…私古賀くん推しだったのに…〟
いや、違います。って言えたら良いものの…
そんな知らない人に向かって急に話しかけるのは勇気がいる。
だから私は聞こえないフリをする──