【完】私が恋したプリンス*
「…ち、違うよ!!!」
そんな生徒達に言葉を発したのは私ではなく、隣の優人だった。
ザワザワ──
普段人見知りをしていて、人前では話すことなど滅多にない。
なのに、優人はたくさんの人に向かって声を出したのだ。
「…で、でも…俺…頑張って…俺を好きにな、なってもらう!!!」
クールな王子様で通っている優人。
けれど今の彼からは微塵たりともそんな面影がない。
しかも顔を真っ赤に染めて、下を向いている。
「…古賀くん!頑張ってね!!!」
「古賀くん応援してる!!」
けれどそんな優人に皆は言葉を掛けた。
「前田さんも頑張ってね!」
そして私にもエールをくれた。