【完】私が恋したプリンス*


「っ……はぁ、はぁ…」



無意識のうちに息を止めていたらしく、息が上がってしまう。



けれどそれから何度も何度も背中のチャックを上げようとするが、全く上がらない。



本当にどうしよう…



「なっちゃん先輩??」



おまけに凛くんはまたも私の名前を呼ぶ。



「あ、うん!もう少し!!」



扉の向こうに向かって声を発するけれど…

今の私にはどうすることも出来ない。



こんな所でどうしたらいいの…



思わずその場にペタンと座りこんだ。

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