【完】私が恋したプリンス*


けれど凛くんの反応を思い出して、私まで恥ずかしさが移ってくる。



顔…熱い…



「…な、なっちゃん先輩なにがあったんですか…?」



「…背中の…チャックが上げられなくて…」



おまけに扉越しの会話は妙に緊張する。

きっと、今の出来事のせいだよね。



「分かりました!!待ってて!!!!」



「えっ?凛くん?!」



凛くんは私に言い残すとどこかへ行ってしまった。



1人ぼっちの更衣室はなんだか少し寂しい。



…凛くんどこ行ったんだろう?

待ってて、ってどうするつもりなんだろう?

早く戻ってこないかな…



ガチャ──



えっ?今度は誰?



「実莉ちゃんどうしたの!?」



私の目の前には息を切らした実莉ちゃんの姿。

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