【完】私が恋したプリンス*
廊下には凛くんが立って待っていた。
「…はぁ…何事かと思って来てみれば…」
「何事って??」
「凛くんが顔を真っ赤にさせて、私のクラスに飛び込んで来たの。そしていきなり、〝なっちゃん先輩が大変!!!〟とか言うから慌てて駆け付けたのよ」
「実莉先輩煩いです」
凛くんはバツが悪そうに窓の外に視線をやる。
「凛くんありがとう」
そんな凛くんにお礼を言う。
事実、実莉ちゃんが来てくれなかったらどうにも出来なかったのだから。
「…どういたしまして…」
「てか、良い感じの所悪いんだけど…そもそも凛くんがチャックを上げたら良かったじゃない。背中でしょ?しかも割とチャックの範囲狭いんだし、露出っていう程の露出じゃないし」
実莉ちゃんは平然とそんなことを言い出した。
「は?!なに言ってるんですか?背中ですよ?!腕じゃないんですよ!?」
すかさず否定する凛くん。