【完】私が恋したプリンス*
「優人くん効果絶大だね」
本当実莉ちゃんの言う通り。
「凛くんなんて、その様子を見て動物園とか言ってたよ」
「アハハッ!凛くんの辛口は相変わらずだね!!」
実莉ちゃんはお腹を抱えて大爆笑。
中庭は私達しかいなくて、遠くからは売り子さんの声や、音楽が聞こえてくる。
その音達は小音量でどこか心地良い。
「…那姫は、決めたの??」
実莉ちゃんの声のトーンが少し下がり落ち着いた声色に変わった。
〝決めたの??〟
聞かれているのはきっと告白の返事のこと。
「私ね…佐藤さんに何度も相談に乗ってもらっていたんだぁー」
あの日のことを脳裏に思い浮かべ話し出す。