【完】私が恋したプリンス*
本当は上手く伝えられるか分からなし。
ステージに上がるのは緊張する。
でも、それ以上にやっとこの気持ちを伝えることが出来ると考えると、なんだか嬉しい。
私はステージ上にあるマイクの前に立った。
視界には大勢の人達。
その時。
キャァーー!!
女子達の黄色い歓声の中から現れた3人の王子様。
私はグラウンドに設置されたステージの上で1人立たずむ。
ドクン…ドクン──
心臓の音が煩い。
おまけに緊張で手や足まで震えてきた。
「前田」
「那姫」
「なっちゃん先輩」
王子様達はステージの上に上がり私の前に立つと、私の名前を呼んでいた。
その声は静かで、覚悟を決めたような声。
私も覚悟を決めたんだ。