【完】私が恋したプリンス*
重たい地図帳を必死に持ち上げ階段を登っていく。
「…キツイ…これ」
携帯を見て時間を確認すると、16時5分を表示していた。
少しでも早く着かなくちゃ。
携帯をポッケにしまうと、再び階段をゆっくり登る。
「遅刻っすか」
そんな私に後ろから声を掛けて来た人がいた。
「凛くん!」
「なんすか。その顔。ブスですね」
「失礼ですね」
そりゃあ、学校を代表する王子様から見たら私なんて平凡だけども…
ブスは言い過ぎなのでは?