【完】私が恋したプリンス*
「…っ!大人気ないですね。良いですよ、それ、持ってあげませんから」
そんな私の態度に拗ねた凛くんはそそくさと階段を登って行ってしまった。
本当に持ってくれないんだ…
まぁ、王子様に荷物を持たせるなんて気が引けるんだけどね。
それにせっかく3階まで運んだんだ。
あともう少し、頑張るだけ。
それから私は必死に運び、あと少しで5階というところまで来た。
そんな時階段の上から、
「あと少しですよ」
と言う声が聞こえた。
下を向いていた顔を上げれば、先に資料室に行ったはずの凛くんの姿。
「…待っててくれたの?」