【完】私が恋したプリンス*
そうやって私が聞くと、顔をほんのり赤く染め視線を泳がして、
「別にそんなんじゃないです。自意識過剰ですか?でも、他の人に迷惑掛けるんで俺が…持ちますよ」
とか言って重い地図帳達を軽々と持ってしまう。
私より少し身長が高いだけで、男子の平均より低い身長で細身の体。
なのに重たい物を軽々しく持ち上げる姿は、やっぱり男の子なんだと感じる。
「凛くん、ありがとう」
凛くんは素直じゃないし、照れ屋だし、すぐ人をバカにするけれど。
それ以上に凄く優しいんだね。
「…うん」
そしてたまに、素直に頷く姿はなんだか可愛く思えた。