【完】私が恋したプリンス*
ガラガラ──
「遅れてすみません!」
資料室の扉を開けるなり、直ぐに謝る私。
「大丈夫だけど…そんなにどうしたの?」
優しく微笑む淳平先輩は凛くんの持っている大量の地図帳を指差していた。
「なっちゃん先輩が持ってた」
大量のそれを机の上にドサッと置きながら答える凛くん。
「まさか…前田それって…」
優人はオドオドしながら私に聞いてきた。
だから、
「地図だよ?」
と当たり前のように返す。