【完】私が恋したプリンス*
「優人の家、向こうだよ?」
私は優人の家の方角を指差し言った。
「…じゃあ、ついでに前田送ってく!」
「えっ?」
「前田と一緒にいると落ち着くし!」
「はぁ…」
幼馴染みだから、なんだろうけれど…
そんなことサラッと言いのけてしまう優人に再び心臓が鳴り出す。
今日の優人はなんだかズルい。
「ありがとう」
「うん!」
お礼を言えば、これまた飛びっきりの笑顔。
それから私は優人に家まで送ってもらい、バイバイをした。