【完】私が恋したプリンス*
この表情をあの女の子に見せてあげたいよ。
あんなに無愛想に振舞っていたのに、今じゃこの笑顔。
本当…ずるいよね。
だからほっとけないのかな。
「私日誌届けてくるから。じゃあ、明日ね」
私は丁度日誌を書き終えたため、優人にそう言うと職員室へと向かった。
「先生、日誌持ってきました」
職員室にいる担任に声を掛け日誌を渡す。
「お疲れ様。あと、これ教室に運んでくれないか?」
担任は机の上に置いてある大量のノートを指差した。
「…」
思わず無言になってしまう。
「前田?頼むよ」
「…はい。分かりました…」
担任に名前を呼ばれ、渋々引き受けることに。