【完】私が恋したプリンス*


「…」



私の目の前には、写真を持って泣きながら寝ている淳平先輩の姿。



その姿はとても綺麗で目が離せない。



絵本の中から登場した、王子様みたいで美しかった。



その時、



「んっ…」



という声とともにもぞもぞと動き出した。



…見つかる!!



私は咄嗟にその場から逃げ出した。



トクン、トクン──



走っている間、私の脳裏にはさっきの光景が鮮明に映し出され、その度に胸は煩く鳴る。

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