ヒーローに恋をして
どうやって自分が帰り着いたかなんて覚えてない。無心でシャワーを浴びて潜り込んだ布団の中、丸まって小さく唸る。一向に眠ろうとしない自分を落ち着けようと、深く息を吐く。
ももちゃんの代わりに、俺がテレビに出ようかなって
今頃になって、コウが言った言葉を思い出す。
あれは、どういう意味なんだろう? 暗闇の中、天井のシーリングライトをぼんやりと見る。
桃子の代わりにテレビに出るって。そんなこと望んだこともないけど、もし本当だったら。
いやちがう、とすぐに考えを遮断する。
あれはきっと、からかってるだけだ。
だって。
布団を口元まで引っぱり上げて、ごろりと横を向いた。
だってこうちゃんは、うそをつくから。
ぎゅ、と目を閉じて息を深く吸った。
「こうちゃんの、馬鹿」
十二年も経って、こうちゃんのことを思い出すこともうんと減っていた。それでよかったのに。
どうして今さら、現れるのよ。
最悪だ。
ももちゃんの代わりに、俺がテレビに出ようかなって
今頃になって、コウが言った言葉を思い出す。
あれは、どういう意味なんだろう? 暗闇の中、天井のシーリングライトをぼんやりと見る。
桃子の代わりにテレビに出るって。そんなこと望んだこともないけど、もし本当だったら。
いやちがう、とすぐに考えを遮断する。
あれはきっと、からかってるだけだ。
だって。
布団を口元まで引っぱり上げて、ごろりと横を向いた。
だってこうちゃんは、うそをつくから。
ぎゅ、と目を閉じて息を深く吸った。
「こうちゃんの、馬鹿」
十二年も経って、こうちゃんのことを思い出すこともうんと減っていた。それでよかったのに。
どうして今さら、現れるのよ。
最悪だ。