ヒーローに恋をして
バン。
力任せに車のドアを閉じるとスマホを取りだす。焦りで指が滑り、一度、二度と画面ロックのパスワードを打ち間違える。三度目でようやく解除できたスマホを耳にあてた。
「もしもし!」
『ももちゃん? 入って』
言葉と同時にマンションの自動扉がヴィーと音を立てて開いた。開き切るより先に体を滑り込ませる。
スニーカーを履いてくればよかった。パンプスなんて走りにくくてかなわない。
早くも痛みを訴えてる親指を忌々しく感じながら、エレベーターのボタンを乱暴に押した。
力任せに車のドアを閉じるとスマホを取りだす。焦りで指が滑り、一度、二度と画面ロックのパスワードを打ち間違える。三度目でようやく解除できたスマホを耳にあてた。
「もしもし!」
『ももちゃん? 入って』
言葉と同時にマンションの自動扉がヴィーと音を立てて開いた。開き切るより先に体を滑り込ませる。
スニーカーを履いてくればよかった。パンプスなんて走りにくくてかなわない。
早くも痛みを訴えてる親指を忌々しく感じながら、エレベーターのボタンを乱暴に押した。