ヒーローに恋をして
けっきょく桃子に会わずにアメリカへと戻った。日本に来るときに感じていたモヤモヤした思いは消えて、その代わりに叫び出したいような、情熱とは少しちがう、だけどそんなふうに言うしかない衝動が胸の中で燃えていた。
俺が有名になれば、ももちゃんを助けられる。
飛行機の中、雲の下の方へと消えていく日本を眺めながら思った。
やってやる。
固めた拳をぐっと開いて、端がよれた宇野の名刺を睨むように見据える。
有名になってやる。そして、俺がももちゃんを助けるんだ。
きみもヒーローになれるよ
いつかの宇野の言葉が頭を回る。
ヒーローに、なる。
幼かった自分を助けてくれたももちゃん。コウのヒーロー。
今度は俺が、ももちゃんのヒーローになるんだ。
俺が有名になれば、ももちゃんを助けられる。
飛行機の中、雲の下の方へと消えていく日本を眺めながら思った。
やってやる。
固めた拳をぐっと開いて、端がよれた宇野の名刺を睨むように見据える。
有名になってやる。そして、俺がももちゃんを助けるんだ。
きみもヒーローになれるよ
いつかの宇野の言葉が頭を回る。
ヒーローに、なる。
幼かった自分を助けてくれたももちゃん。コウのヒーロー。
今度は俺が、ももちゃんのヒーローになるんだ。