レインボウ☆アイズ
「あらまた今日は暗いわねー。」
『恋してるわねえ』
俺の顔を見て、笑いながら祐子さんは言った。
やっぱり来なければよかった…。
絶対にからかわれると思ったから、保健室に行くかどうか迷った。
でも聞いてもらわないと、死んでしまいそう。
「で、どうしたの?」
気持ち悪いくらい、優しく祐子さんは聞いた。
「優しくしないで、って聞こえた…。」
出てきた声が小さすぎて、自分でも驚く。
「あら。どうしたのかしらね…。」
「わかんない。昨日メール送らなくてごめんね、とは言ってた。」
「…手がかり少ないわね。」
俺もそう思う。だからどうしたらいいか、わからない。
そう思ってため息をつくと、祐子さんがとんでもないことを言った。
「咲葉ちゃん、彼氏いるんじゃない?」
驚いて俺は祐子さんの顔を見る。
「そんなことって、あるの?」
「あるでしょ。大人の女なんだから。」
「彼がいるのに、違う男と二人で会ったりするの?」
なんだか言ってて悲しくなってきた。
「残念ながら、そういうことが平気な女もいるわ。」
「咲葉さんはそんな人じゃない…。」
そう言う自分の声が、情けなくて嫌になる。
「そうね。直接、聞いてみなさい。
心の声も聞こえるから、何かわかるでしょ。」
え?どういうこと?それって、もしかして…。
「…かまかけろ、ってこと?」
「そう。せっかくあるその能力、活かしなさいよ。」
祐子さんの心の声は聞こえない。真剣に言っているようだ。
「そんなふうに使いたくない。…勝手に心の中を覗くなんて、嫌だ。」
聞こえてしまうのはしかたない、って修が言ってくれてるのに。
聞こうと誘導するなんて、ずるい。汚いよ。
それも、咲葉さんにそんなことするなんて…。
「じゃ、咲葉ちゃんが言ってくれるまで待つの?
何も言わずに、突然バイバイ、かもしれないわよ。」
俺は祐子さんの顔を睨むように見た。
「本当のことを全部言えるんだったら、そうする必要も無いけどね。」
そうか…それもそうだな。
でも、何だかもう、頭がいっぱいだ…。
何も考えたくなくなってきた。俺の目を覚ますかのように、予鈴が鳴っている。
俺は重い体を引きずるように、教室へ向かった。
『恋してるわねえ』
俺の顔を見て、笑いながら祐子さんは言った。
やっぱり来なければよかった…。
絶対にからかわれると思ったから、保健室に行くかどうか迷った。
でも聞いてもらわないと、死んでしまいそう。
「で、どうしたの?」
気持ち悪いくらい、優しく祐子さんは聞いた。
「優しくしないで、って聞こえた…。」
出てきた声が小さすぎて、自分でも驚く。
「あら。どうしたのかしらね…。」
「わかんない。昨日メール送らなくてごめんね、とは言ってた。」
「…手がかり少ないわね。」
俺もそう思う。だからどうしたらいいか、わからない。
そう思ってため息をつくと、祐子さんがとんでもないことを言った。
「咲葉ちゃん、彼氏いるんじゃない?」
驚いて俺は祐子さんの顔を見る。
「そんなことって、あるの?」
「あるでしょ。大人の女なんだから。」
「彼がいるのに、違う男と二人で会ったりするの?」
なんだか言ってて悲しくなってきた。
「残念ながら、そういうことが平気な女もいるわ。」
「咲葉さんはそんな人じゃない…。」
そう言う自分の声が、情けなくて嫌になる。
「そうね。直接、聞いてみなさい。
心の声も聞こえるから、何かわかるでしょ。」
え?どういうこと?それって、もしかして…。
「…かまかけろ、ってこと?」
「そう。せっかくあるその能力、活かしなさいよ。」
祐子さんの心の声は聞こえない。真剣に言っているようだ。
「そんなふうに使いたくない。…勝手に心の中を覗くなんて、嫌だ。」
聞こえてしまうのはしかたない、って修が言ってくれてるのに。
聞こうと誘導するなんて、ずるい。汚いよ。
それも、咲葉さんにそんなことするなんて…。
「じゃ、咲葉ちゃんが言ってくれるまで待つの?
何も言わずに、突然バイバイ、かもしれないわよ。」
俺は祐子さんの顔を睨むように見た。
「本当のことを全部言えるんだったら、そうする必要も無いけどね。」
そうか…それもそうだな。
でも、何だかもう、頭がいっぱいだ…。
何も考えたくなくなってきた。俺の目を覚ますかのように、予鈴が鳴っている。
俺は重い体を引きずるように、教室へ向かった。